日本文藝家協会創立百周年記念 文士劇『風と共に去りぬ』が開幕!豪華作家陣が魅せる特別な舞台

豪華作家陣が紀伊國屋ホールに集結!文士劇『風と共に去りぬ』が開幕

日本文藝家協会の創立百周年を記念する文士劇『風と共に去りぬ』が、2026年5月23日(土)に紀伊國屋ホールで幕を開けました!

舞台劇の複数のシーンを捉えた画像

文士劇が現代に復活!

かつては三島由紀夫さんや石原慎太郎さん、井上ひさしさんといった名だたる作家たちが手掛けて一世を風靡した「文士劇」。それが、日本文藝家協会の百周年を記念して、この2026年に見事に復活しました。

今回上演されるのは、マーガレット・ミッチェルさん原作の不朽の名作『風と共に去りぬ』。鴻巣友季子さんが翻訳、道又力さんが脚本、五戸真理枝さんが演出を手掛け、日本を代表するそうそうたる作家陣が出演しています。

出演者には、阿部公彦さん、井沢元彦さん、岩井志麻子さん、荻野アンナさん、岳真也さん、川口則弘さん、河原啓子さん、鴻巣友季子さん、佐伯順子さん、佐川光晴さん、笹公人さん、島田雅彦さん、辛酸なめ子さん、蝉谷めぐ実さん、谷口桂子さん、夏山かほるさん、林真理子さん、三田誠広さん、宮尾壽里子さん、村上政彦さん、村山由佳さん、山内マリコさん、綿矢りささんといった顔ぶれが勢ぞろい。

主人公のスカーレット・オハラ役は蝉谷めぐ実さん、綿矢りささん、辛酸なめ子さん、村山由佳さんが、レット・バトラー役は島田雅彦さん、三田誠広さんが場面ごとに演じ分けます。作家たちのアイデアも取り入れた五戸真理枝さんの演出にも注目ですよ!

なぜ今『風と共に去りぬ』なのか?

文士劇広報委員長の鴻巣友季子さんは、この作品が現代においてどのように解釈されるべきかについて語っています。アメリカでは、映画版に「解説」を付けて再配信されるなど、ポリティカル・コレクトネスに合わない部分への配慮が見られます。しかし、古典作品を安易に「キャンセル」するのではなく、批評的な視点で向き合うことが大切だという姿勢が示されています。

鴻巣友季子さんによると、原作は映画版とはかなり異なる世界観を持っているそうです。奴隷制の南部を美化するものではなく、南部人の視点から南部を痛烈に批判する小説であり、戦争の本質を見抜いた反戦メッセージ、そして自己中心的なヒロインが他者への愛情に目覚める「介護小説」、さらには女性同士の絆と友愛を描く「シスターフッド小説」としての側面も持っているとのこと。現代の価値観に合わせて作品を「浄化」する動きがある中で、日本文藝家協会は「作家が書くこと、読者が読むことをめぐる自由」も含め、この問題に真摯に向き合い、今回の上演に取り組んだといいます。

出演者からのコメントが到着!

公演開始にあたり、出演者の皆さんからコメントが寄せられています。

林真理子さん(日本文藝家協会理事長)

作家の皆さんの演技力には驚かされたそうです。最初は不安そうにしていた人も、後半には自分の世界を作り出し、プロのような巧みさや不思議なユーモアを醸し出すようになったとか。「作家はおしなべて芝居好き」という言葉には、彼らが普段から頭の中で物語やセリフを作り出しているからこそ、演じる芝居が面白くないはずがないという確信が込められています。奇妙で魅力的な空間をぜひ楽しんでほしいとのこと。

三田誠広さん(文士劇実行委員長/レット・バトラーB役)

文士劇の責任者として、出演者の募集から稽古に参加するうちに、後半のレット・バトラー役を演じることになった三田さん。実は子どもの頃に児童劇団に所属していた経験があり、演出家からの指示で役を引き受けたそうです。後期高齢者でのバトラー役に不安を感じつつも、大詰めのセリフに「さすがに歳をとりすぎた」とあることから、今では適役だと感じていると語っています。

鴻巣友季子さん(文士劇広報委員長/マーガレット・ミッチェル役 [5/23夜、24昼公演])

翻訳者として、『風と共に去りぬ』が百周年記念文士劇の演目となったことを大変喜んでいるそうです。一夜で消えてしまう演劇舞台は「風に書いた詩」と表現されることもありますが、みんなで書いたこの「詩」が「風」に乗って次の百年まで疾んでゆくことを願っているとコメントしています。

五戸真理枝さん(演出)

昨年末からコツコツと稽古を重ねてきた五戸さん。出演者の皆さんが物語と役をつかみ、言葉のエンターテイナーとしての本領をどんどん発揮していることに喜びを感じているそうです。真面目でありながらユーモア満載の『風と共に去りぬ』。本番では、作家の皆さんに演じることを名一杯楽しんでもらいたいと語っています。また、日本の文芸文学の道を切り開き、守り育ててきた先人に敬意を表して演出したとのことです。

蝉谷めぐ実さん(スカーレット・オハラA役)

作家や書物に関わる方々が舞台に立つ姿を間近で見たいという気持ちから参加した蝉谷さん。まさかのスカーレット・オハラ役に指名され、当初はミーハー心があったものの、今では神妙な面持ちで舞台に臨んでいるそうです。最後まで楽しみ、晴れやかに幕を下ろしたいと意気込みを語っています。

綿矢りささん(スカーレット・オハラB役)

もともと『風と共に去りぬ』が好きだったという綿矢さん。しかし、スカーレット役を演じてみて、彼女の気性の激しさに参ってしまったそうです。その性格ゆえに周りから人が離れていくものの、孤独になってもめげずに立ち上がる姿には感動を覚えると言います。スカーレットの「生命力の輝き」がどれだけ人々を惹きつけるかを知ったと語っています。

辛酸なめ子さん(スカーレット・オハラC役)

舞台出演は「別世界に来てしまったような感覚」だと語る辛酸さん。演技らしい演技はできていないとしつつも、自分の中の殻を少しだけ破れた気がすると言います。スカーレットを現代に例えるなら、キム・カーダシアンやカイリー・ジェンナーのような存在。自由奔放でわがままで貪欲、商才と自己プロデュース力に長けた女性だとし、現代のセレブの原型のようなスカーレットのエネルギーにあやかりたいとコメントしています。

村山由佳さん(スカーレット・オハラD役)

子どもの頃から物語を作り、すべての役を演じる遊びが好きだったという村山さん。作家になるのは当時の夢でしたが、まさか同業の皆さんと一緒にお芝居までできるとは!と喜びを語っています。しかし、紀伊國屋ホールの舞台を目の当たりにした瞬間、緊張で心臓が飛び出しそうになったとか。演劇が演出やスタッフの尽力によって生きもののように変化する過程を見られたことはこの上ない喜びだったとし、あとは「人事を尽くして天命を待つのみ」と語っています。本屋さんの真上で作家たちのお芝居が行われるのは、なんと素敵なことだろう、とも付け加えています。

島田雅彦さん(レット・バトラーA役)

演じる行為は「他者の思考や行動と自分のそれをシンクロさせること」だと語る島田さん。俳優も小説家も、多かれ少なかれ他者に憑依し、その人格を宿すシャーマンのようなものだと表現しています。普段から頼まれもしないのに様々な他者を演じているそうで、今回はひねくれたトリックスター、レット・バトラー役。共演者からは「性格がそっくり」と言われているそうです。

舞台上で、クラシックな衣装をまとった男女が向かい合う劇中の一場面

公演概要

  • 公演名: 日本文藝家協会創立百周年記念 文士劇『風と共に去りぬ』

  • 日程: 2026年5月23日(土)13:00、17:30、24日(日)13:00

  • 会場: 東京・紀伊國屋ホール

  • 演目: 「日本文藝家協会100周年を迎えての口上」/「風と共に去りぬ」

  • 原作: マーガレット・ミッチェル

  • : 鴻巣友季子

  • 脚本: 道又 力

  • 演出: 五戸真理枝

  • 出演: 阿部公彦、井沢元彦、岩井志麻子、荻野アンナ、岳 真也、川口則弘、河原啓子、鴻巣友季子、佐伯順子、佐川光晴、笹 公人、島田雅彦、辛酸なめ子、蝉谷めぐ実、谷口桂子、夏山かほる、林 真理子、三田誠広、宮尾壽里子、村上政彦、村山由佳、山内マリコ、綿矢りさ (五十音順)

  • 入場料: 全席指定8,000円(税込)

  • チケットのお問合せ: サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00)

  • 主催: 公益社団法人日本文藝家協会

  • 提携: 株式会社紀伊國屋書店

  • 公式HP: https://sunrisetokyo.com/detail/33760/

『風と共に去りぬ』あらすじ

第一幕

ジョージア州の大農園「タラ」で暮らすオハラ家の長女スカーレットは、貴公子アシュリ・ウィルクスに夢中。しかし、アシュリには婚約者メラニー・ハミルトンがいました。スカーレットの告白を聞いてしまった悪党紳士レット・バトラーは、彼女に興味を抱きます。南北戦争勃発の知らせが届き、スカーレットはアシュリへの当てつけに、メラニーの兄チャールズと結婚。しかし、チャールズは最初の戦闘で戦死してしまいます。未亡人となったスカーレットはアトランタでメラニーと暮らし始め、物資不足の南軍のためのバザーで、軍需品密輸で荒稼ぎするレットと再会。喪服のスカーレットをダンスに誘うレットは、紳士淑女の顰蹙を買います。戦況は悪化し、アトランタは北軍に包囲。初めての子どもを産んだばかりのメラニーを世話していたスカーレットは、レットに助けを求めます。脱出に成功した後、レットは北軍と戦うために去っていくのでした。

赤い舞台幕を背景に、黒いドレスの女性とスーツの男性が手を取り合う劇中の一場面

第二幕

故郷タラの農園は北軍に荒らされ、父ジェラルドは廃人同然に。オハラ家の再建に疲弊したスカーレットは、メキシコへ逃げようとアシュリに懇願するも拒否されます。北軍から課せられた重税を払うため、レットの金を引き出そうとしますが失敗。そこで、妹スエレンの恋人フランク・ケネディを強引に奪って再婚します。スカーレットに急かされ借金取り立てに奔走するフランクは、街の無法者に殺されてしまいます。再び夫を失ったスカーレットは、レットの求愛を受け入れます。レットに甘やかされ贅沢な日々を送るものの、アシュリへの想いを断ち切れません。体の弱かったメラニーが、二人目の子どもを流産して間もなくこの世を去ります。亡骸にすがって泣き崩れるアシュリを見て、スカーレットは自分が本当に愛しているのはレットだと、ようやく気づくのでした。

暗い舞台で演劇が行われている様子。鮮やかな青いドレスを着た女性がベンチに座り込み、頭を抱えて悲しげな表情

昭和の始まりから令和へと続く100年を祝う、この特別な舞台。残念ながら24日(日)で上演は終了してしまいますが、文士劇の復活という歴史的な瞬間は、きっと多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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