健康食品やサプリメントのOEM製造を行う三生医薬株式会社が、製造過程で出る植物性カプセルの規格外品をたい肥として再活用する、新しい資源循環プロジェクトを開始しました。
この取り組みは、これまで廃棄物として処理されていた植物性素材の規格外品を「資源」へと転換し、環境への負荷を減らすとともに、地域社会への貢献を目指すものです。静岡県富士市を拠点とする庵原興産株式会社、そして静岡県富士宮市の株式会社アサギリと手を組み、地域内で資源が循環するモデルを運用していきます。
年間で約324㎥(約32万4,000L)もの廃棄物削減が見込まれており、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」にも貢献するプロジェクトです。

廃棄物を「資源」へ!ものづくりの現場から始まる循環の発想
三生医薬がこのプロジェクトを始めた背景には、カプセル製造過程でどうしても発生してしまう、形状不良や規格外カプセルの取り扱いという課題がありました。これらは従来、産業廃棄物として処理されていました。
しかし、三生医薬が製造しているカプセルは、海藻由来の寒天やカラギーナン、トウモロコシ由来のでんぷんなど、食品として広く使われている植物原料を使っています。

動物性原料とは異なる植物性素材の特性に注目し、「廃棄するのではなく、資源として何か活用できないか?」という発想から、このプロジェクトがスタートしました。
三生医薬は「環境目標2030」を掲げ、ものづくりを担う企業としての責任と、地域社会への貢献を両立させる経営を進めています。製品だけでなく、その「つくり方」にも向き合う必要があると考えたのです。
そこで、廃棄物処理・リサイクル事業を手がける庵原興産株式会社と、たい肥の製造・販売を行う株式会社アサギリと連携し、地域に根ざした資源循環モデルの構築に踏み出しました。

地域の力をつなぎ、循環を“仕組み”として成立させる
製造工程で発生した規格外の植物性カプセルは、まず庵原興産で適切な前処理が施されます。その後、富士宮市人穴にあるアサギリのたい肥工場へと運ばれます。工場では、他の原料と混ぜ合わせ、発酵槽で約60℃の高温状態を24時間以上保つことで、微生物の働きによって分解を促進します。水分量の調整や攪拌を繰り返しながら発酵を促し、自然の力を最大限に活かしたたい肥へと再生されるのです。

発酵過程では強い臭いが発生することもありますが、アサギリでは水流式脱臭システムなどを導入し、周辺環境への影響を最小限に抑えるように運用を徹底しています。富士宮地域は全国でも有数の酪農地帯であり、かつては牛ふんの放置による臭いや害虫、温室効果ガス排出が課題でした。現在では、地域で発生する牛ふんの約3分の1をアサギリが処理し、たい肥として再利用することで、環境改善と資源循環を両立させています。
完成したたい肥は牛ふんを約50%含み、栄養価が高く、地元ホームセンターなどを通じて富士・富士宮地域の農家へ届けられています。また、たい肥の一部は県外にも出荷されており、地域農業を支える資材として活用が広がっています。
農家の実感が示す、地域循環の価値
三生医薬の厚原工場(静岡県富士市)の近くでも、このたい肥を活用する農家があります。YAMATARO F&C代表の山村達也氏は、富士地域で12か所の畑を管理し、年間約20種類の野菜を栽培しています。

山村氏は「昨今の異常気象や傾斜地の影響で土壌の水分や栄養が流れやすく、野菜の生育にばらつきが出ることが課題でした。こうした中、たい肥を使うことで、土壌の状態が以前より安定しやすくなったように感じています。農家にとっては心強い存在です。さらに、輸送コストの高騰が続く中、地元で良質なたい肥が手に入ることは大きな助けになっています」と語っています。
山村氏の畑で育った野菜は、富士市内のスーパー「マックスバリュ」6店舗や、畑の目の前にあるカフェ「YUHOBI Cafe」で販売・提供されています。畑から徒歩10秒でカフェへ直送されるこの魅力的な仕組みは、地域ならではの強みを活かし、採れたての野菜を楽しめるサステナブルな食体験を生み出しています。

規格外カプセルから始まる資源循環――三生医薬が描くサステナブルな未来
このプロジェクトによって、三生医薬は年間約324㎥もの廃棄物削減を見込んでいます。これはSDGs目標12「つくる責任、つかう責任」への具体的な貢献につながります。
この取り組みが生み出す価値は、廃棄物削減だけではありません。
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地域企業との新たな協働
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農業の生産性向上
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地域経済の循環と活性化
三生医薬は、地域に根ざした活動を基盤としながら、世界中の人々に「心と身体の健康」という価値を届ける企業として、つくる責任を果たしながら、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

関係者コメント
庵原興産株式会社 施設事業部部長 森氏は、「三生医薬との協働により、これまで産業廃棄物として処理されていたカプセルを資源として再活用できる仕組みが生まれました。地域内での循環を実現することで、環境負荷の低減だけでなく、廃棄物処理の新しい可能性を広げる取り組みだと感じています」とコメントしています。
株式会社アサギリ 代表取締役 簑氏は、「植物性原料のカプセルはたい肥化に適した素材であり、地域資源を活かした高品質なたい肥づくりに貢献しています。このたい肥は土壌改良に役立つだけでなく、地元農家の生産性向上や安定した作物づくりを支えています。地域で循環する仕組みが広がることで、農業の持続可能性が高まり、地域経済の活性化にもつながると考えています」と述べています。
プロジェクト参画企業概要
庵原興産株式会社
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所在地: 静岡県富士市北松野1805-7
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代表者: 代表取締役 加藤 修
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事業内容: 産業廃棄物処分業、リサイクル事業など

株式会社アサギリ
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所在地: 静岡県富士宮市人穴203-51
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代表者: 代表取締役 簑 威賴
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事業内容: 再生資源事業、肥料販売事業など

YAMATARO F&C
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所在地: 静岡県富士市大渕2474-36
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代表者: 山村 達也
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事業内容: 農作物の生産、販売

三生医薬の植物性カプセルについて
三生医薬の植物性カプセルは、海藻由来の寒天やカラギーナン、トウモロコシ由来のでんぷんなど、食品として広く使われている植物原料から作られています。
このプロジェクトで再活用されるのは、これらの植物原料を用いた「シームレスカプセル」の規格外品や、「植物性ソフトカプセル」の製造過程で発生する副産物(ネット状の皮膜)などです。
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シームレスカプセル: https://www.sunsho.co.jp/jp/products/seamless_capsule.shtml
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植物性ソフトカプセル: https://www.sunsho.co.jp/jp/products/hp_formulation/Vegetable.shtml

植物性カプセルは、ヴィーガン対応や宗教的配慮、アレルギーリスクへの配慮といった観点から、動物性原料(ゼラチンなど)を使ったカプセルと並んで、商品設計の選択肢の一つとして提供されています。
三生医薬株式会社について
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所在地:静岡県富士市厚原1468(本社)
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代表者:代表取締役社長 今村 朗
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設立:1993年11月
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資本金:1億2,338万9千円
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売上金:286億円(2025年3月期)
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従業員:830名(2025年4月現在)
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事業内容:健康食品、医薬品、一般食品、雑貨等の企画・開発・受託製造


