ネスレ日本株式会社 ネスレ ヘルスサイエンス カンパニーと医療法人錦秀会が共同で行った研究「胃食道逆流症患者における経管栄養の医療経済性に関する検討」の成果が、欧州臨床栄養代謝学会(ESPEN)の公式学術誌『Clinical Nutrition ESPEN』に掲載されました。
経管栄養の不耐性が病院経営に与える影響とは?
この研究では、日本の療養病棟の実際のデータを使って、高齢の胃食道逆流症(GERD)患者さんで経管栄養がうまくいかない(不耐性)ことで、予期せぬ中断が起こると病院経営にどれくらいの経済的負担がかかるのかを詳しく分析しました。
医療機関の経営が厳しくなっている今、経管栄養の不耐性が患者さんの状態だけでなく、病院の経済面にも二重の影響を与えることが明らかにされました。これにより、早めに適切な栄養ケアをしたり、適切な流動食を選んだりする予防策が、患者さんの回復を助けるだけでなく、病院経営を続けるためにもとても大切だということが示唆されています。
研究結果のポイント
今回の研究で、主に以下の3つの点が明らかになりました。
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経管栄養の中断率とリスク要因
調査対象となった高齢のGERD患者さんのうち、23.5%が経管栄養の不耐性によって経腸栄養を中断していました。特に、BMI(体格指数)が低い患者さんで、中断のリスクが高いことがわかりました。

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病院の収益への影響
経管栄養が中断されると、点滴(静脈栄養)や診断検査にかかる費用が増える一方で、入院時の食事療養費といった病院の収益が減ってしまいます。この結果、病院側が抱える損失が大きく増える構造が明らかになりました。
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シミュレーションでわかった損失額
高齢のGERD患者さん10人あたり、4週間で約24万8千円もの病院損失が発生すると試算されています。特に、BMIが低い患者さんや、半消化態流動食を使っている患者さんでは、損失額が大きくなる傾向が見られました。
論文情報
この研究の詳細は、以下の国際的学術雑誌で確認できます。
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論文タイトル:Economic consequences when enteral tube feeding intolerance causes unplanned discontinuation in hospitalized older patients with gastroesophageal reflux disease
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著者:Yukikazu Kamada, Kanako Kawano, Akina Iguchi, Noriko Tominaga, Chisato Okamoto, Masatoshi Inoue, Ataru Igarashi, Masafumi Kitakaze
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掲載誌:Clinical Nutrition ESPEN
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論文へのアクセスリンク:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S240545772503205X?via%3Dihub
ネスレ ヘルスサイエンスについて
ネスレ ヘルスサイエンスは、2011年にネスレによって設立されたヘルスサイエンスカンパニーです。世界140カ国以上で、消費者向けの健康製品から医療・介護施設向けの栄養補助製品まで、幅広いブランドを展開しています。「栄養の力」を軸に、総合的な健康サポートを提供することを目指しています。

“Empowering healthier lives through nutrition(栄養を通じて、人々のより健康的な生活を支援すること)”をパーパスとして掲げ、科学的な根拠に基づいた高品質な栄養ソリューションを顧客に提供しています。

